2019.01.29 (Tue)
側板の加工~その5

表板側は、リバース・カーフィング(切り込みが接着側になっているもの)を使いました。音響的に優れてるとかではなく、リバースの方が仕上がりがきれいにできるので、最近はずっとリバースを使っています。
側板同様、水に浸けたあと、鉄管で曲げていきます。深く切り込みを入れて曲げずに貼っていく人もいます。そこは、人それぞれです。

接着は、たくさんのダブルクリップと少しのクランプを使いました。基本、私はクランプで固定するのですが、今回はジェフリーに教えてもらったこともあり、この方法を採用してみました。
昔は木製の洗濯バサミを使う人が多かったように思いますが、最近はダブルクリップ使う人の方が主流なのかな!?やっぱり私はクランプ派かな。
アコースティックギター製作家塩崎雅亮氏、ニカワでの作業風景公開~その2~。
個人製作家が今ほど一般的でなかった頃から、ハンドメイドギターを作り続けておられる塩崎雅亮氏。
膠を使用するのもオールド・マーチンにこだわる氏ならではな感じです。
私のように事前に曲げなくても貼れるよう絶妙な厚みのスリットなんでしょう、あっという間に仕上がっていきます。
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2019.01.27 (Sun)
側板の製作〜その4

今回は肘のコンタード加工(エルボーカット)を取り入れていますので、その分を先に切除しました。木目に沿って割れると困るので、一番深いところにノコギリで切れ目をまず入れました。

もう少し言うと、カーフィング先に貼ってれば、カンナとかベルトサンダーとか使えたので、楽だった気がします(苦笑)。
AdamCHAN Guitars Music China Expo 2018
益田洋さんのご紹介の時にちょっとふれた、Mr.Adam Chan。Jeffrey Yongが日本に出展するときいつも一緒に来てたアダム。ギター好きが高じて、とうとうルシアーになっちゃいました。
シンガポールの彼の工房にお邪魔して、作業風景も見学したりしたのですが、非常に合理的でクレバーです。詳しいことは彼の企業秘密だと思うので書きませんが、一例であげると、フローティング・フィンガーボード。なるほど!っと感心しまくりました。
動画はミュージック・チャイナに出展した折りのインタビューのようです。この時のミュージック・チャイナには私も遊びにいったのですが、会場の熱気、ビジネスのスピード感(あっという間にビッグ・ビジネスが成立していきます)など、日本にいても見えない中国経済の勢いを肌で感じることができました。
これからの時代、ジェフリーやアダムのような英語、中国語が話せる華人が、今以上に業界を席巻していくのかもしれません。
2019.01.26 (Sat)
側板の製作〜その3

まあ、いろいろなやり方があるようで、それもオリジナリティかもしれません(笑)。

なかなか曲がらないけど、焦って力入れすぎると割れてしまいそうで、むっちゃ苦戦しました。
一時間ではできてなくて、二時間ぐらいかかったかもしれません。

マレーシアン・ブラックウッド自体も、それなりに高い(ハカランダより安いけど、インドローズよりは高い)材料ですが、それ以上に加工手間がかかるので、けっこう高価なギターになっちゃいますね。
Kenji Okumura Guitar maker Interview by Shinichi Adachi films [2017]
ドリームギターズの動画を何本か続けようと思ったのですが、別の動画を見つけたので、そちらをご紹介。ロンドンでギター製作をされている奥村健治氏。FC2のblogが縁でお知り合いになりまして、2011年のサウンドメッセで一度だけお会いしました。
その時は私が出展者で奥村氏が帰国したついでにお寄りいただいたというまことにおそれ多い状況でした。まあ、気さくな方で短い時間でしたが、いろいろお話もさせていただきました。
アメリカのロバートベンでギター製作を学ばれ、今はイギリスで日本人らしい精密で美しいギターを作り続けられてる奥村氏。Blue-Gさんでいちど弾いたことがありますが、とても端正な素晴らしいギターでした。
ちなみにLeaf Instrumentsの長坂くんに初めて会ったのも、その時のサウンドメッセ会場でした。
2019.01.17 (Thu)
側板の製作〜その2

高音側は、フローレン・カッタウェイにしますので、所定の位置で切り落としました(長さ忘れました)。
胴も薄めに仕上げますので、とりあえず85mm+アルファにテーブルソーで切り落としました。

厳密にいうと、くびれ部分を中心に、ヒール側は角度がきつく、エンド側は角度が緩くなります。そこまで考えて側板を加工する方もおられます。
どちらが絶対に正しいという訳ではなく、人それぞれの範囲だとは思います。

ただし、左右のバラツキは仕上げに影響が出る場合があるので、左右は合わせておく方がいいです・・・まあ、いくらでも後で調整できるんですけど、合わせておく方が後の作業が楽になります(笑)。
2018 Somogyi OM, Brazilian Rosewood/European Spruce
ぼちぼち作る系の動画も一区切りにして、ハンドメイドギターの動画を上げていきます。ドルフィンギターさんを始め、日本のギターショップさんも動画を結構あげてくれているのですが、私個人的に、海外の手工ギターの扉を開いてくれた、Dream Guitarsの動画を上げていきたいと思います。
個人輸入の頃から(笑)、Elderly InstrumentsやMandolin BrothersでMartinやGibsonばかり見ていた私に、とんでもなく高価なハンドメイドギターを教えてくれたDream Guitars。
あまりにも高価で、購入という形では恩返しできませんでしたが、紹介という形でささやかに恩返し。前置きが長すぎたので、1本目は、説明不要のSomogyiギターにしておきました。
2019.01.15 (Tue)
側板の製作〜その1

材料はこちら、マレー試案・ブラックウッドです。この材料はマレーシア在住のギター製作家Jeffrey Yong氏に譲っていただいたものです。
英語のページですが、このページTHE WOOD DATEBASEが詳しいかな。
柿系の木で、色は茶色~黒、硬くて加工難、黒檀等と同種。別のマレーシア人の知人も言ってましたが、かなりの加工難みたです(後で実感することになるのですが・・・(笑)

余談が長くなりましたが、この機会に、側板、裏板、指板を自動カンナを通しておきました。硬い木材は木目が悪かったりすると、バラバラに割れたり、欠けたりするのですが、今回はいい材料だったのできれいに厚みがだせました。
"The Guitar Maker" (Jeffrey Yong Guitars) - Shun Ng's Beyond The Strings: Episode 1
ジェフリーに分けてもらった材料なので、再びジェフリーのギターを。マレーシアン・ブラックウッドのギターではないのですが、材は、以前に引用した益田洋氏のギターがマレーシアン・ブラックウッドだったと思うので、そちらを参考にしてください。
動画に登場しているShun Ng氏とはかなり前にSound Messe in Osakaでお会いしてから長らくご無沙汰していたのですが、昨年のミュージック・チャイナで久々に再会しました。
動画に登場するジェフリーの昔の工房も懐かしい。昔は街中に工房を構えていましたが、今はジャングルの中に工場のような工房を構えています。ジャングル工房の周りで巨大なトカゲを見かけたときは、マジ驚きました。