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2010.01.16 (Sat)

膠とボンド

 製作関係の写真がけっこうたまっているのに、またまた雑談系を。ネットサーフィン(すっかり死語)していて、「膠が一番」「いやボンドもなかなか」とかいうのをまだ見かけたりするので、思ってることを少し。

 先に書いときますが、「膠の方がボンドより優れている」とか、「ボンドの方がいい」とかそんな基準はもってないです。考え方は人それぞれでいいと思うし、その人の狙った音がでれば、手段は問わないタイプですから。ベストは両方の利点を知った上で使い分けることですかね。

 さて、本題。「膠は扱いが難しいので、ベテランの職人でないと扱えない。」

 嘘です。私でも扱えます・・・っていうか、実際に何度も使っています。湯せんした膠を、筆とかで垂らしてみた時の流れ具合を見て、そこに当日の室温やら、作業する内容(作業はすぐ終わるのか時間がかかるのか、広い面積を貼るのか狭い面積を貼るのか)を加味して、濃度を調整すればいいだけです。

 硬化が早いので、作業には速度が必要ですが、濃度や手早い作業というものは、技術ではなく、単に経験(あるいは慣れ)だと思います。まあ、湯せんの道具もいりますし、溶くのも時間がかかりますので、ボンドほどお手軽ではないですが、一子相伝みたいな難度の高いものではないことは確かです。

 では膠は何が難しいのか?実際に作業をしてみるとわかるのですが、膠には充填能力が全くないことです。つまり完璧に接着面を出しておかないと、木と木の間に、いわゆる「膠が噛んだ」状態になって、接着強度が全く出ません。

 つまり、求められるのは、膠を扱う技術ではなく、木工技術だと思います。その点、ボンドはある程度充填能力がありますから、多少の隙間なら何とかなります。その差は果てしなく大きいです。

 さて、最初の話に戻りますが、「膠が最高」という意見は、「完璧な接着面+膠」という条件があって、初めて成立します。ですので、完璧な接着面を出す木工技術が伴っていないなら、膠を使った方がダメなギターの出来上がりということになりかねません。つまり、施工が××なギターは、ボンドを使わなければ、強度が出ないと言えると思います。

 結局、全体の作りを見ずに、単純に接着剤が何を使っているかの論争なんて、あんまり意味がないですよね。

 結論。パンフレットの売り文句には、「膠を使ったギター」ではなく、「膠を使えるだけの木工技術で組み上げたギター」がいいんじゃないですか!?
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