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2010.10.11 (Mon)

工房について考えた2

 さて、「ここはどう?」として候補としてあげられた土地。地積は200坪弱。地目は「畑」・・・えっ、畑!?それって農地じゃん!?

 では、法律関係の仕事を生業としている者として、ちょっとだけご説明を。農地は農地法という法律に規定されており、譲渡とか転用には、農業委員会等の許可が必要です(農地法3条~5条)。例えば3条。

農地法3条1項
 農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可・・・(中略)・・・を受けなければならない。(以降省略)


 蛇足ですけど、最近の改正で従前よりも農地を取得できる者の範囲は拡大され、逆に違反転用に対する罰則等は強化されています。今回の話には余り関係ないので、詳しくはご自身で調べて下さい(ここにきて責任放棄)。

 で、ざっくりと言うと、3条は「農地のまま所有権移転等する場合」、4条は「自己の使用目的の転用」、5条は「譲渡等を伴う転用」です。今回土地を貰う目的は「譲渡を受けて、そこに工房を建てる」ことですから、5条の許可が必要になります。

農地法5条1項
 農地を農地以外のものにするため・・・(中略)・・・、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が都道府県知事の許可・・・(中略)・・・を受けなければならない。(以降の条文及び権限委譲の話は省略)


 さて、ここで考えないといけないのは「分筆」。理由は2つあって、1つ目は、工房(兼居宅)は10坪程度(作業場4坪+生活空間4坪+α)のする予定ですので、200坪はその用地としては余りにも大きすぎ、そのまま転用がすんなり通らない可能性があります。

 更に、私的には、それより重大な問題は税金です。分筆せずに宅地に転用して、その後贈与を受けるとなると、かなりの金額を贈与税として納税しなければなりません。

※筆者注 1
 実際には、使用貸借等にしておき、相続時に所有権移転という方が多いようです(相続時の紛争の可能性等はここでは割愛します)。しかし、他にも遺産がある場合等で、贈与で済ましておいた方が節税できるケースもあります。詳細は省略しますが、ケース・バイ・ケースになりますので、税理士等にご相談ください。


参考
国税庁[贈与税の計算と税率(暦年課税)]
国税庁[相続税の税率]


 ちゃんと調べてないですけど、例えば10,000円/㎡として、600㎡あれば、評価額は6,000,000円。(6,000,000円-1,100,000円[基礎控除])×20%[税率]-250,000円[控除額]=730,000円・・・山林40坪ぐらいなら買えちゃうじゃん(-_-;)

※筆者注 2
 贈与を行う場合でも、一度に贈与を受けずに、「暦年課税」の基礎控除の範囲内(1,100,000円)あるいは税率10%の範囲内(2,000,000万円以下)で、毎年贈与を繰り返すという方法も有りますし、「贈与者は65歳以上の親、受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子」に該当する場合は、「相続時精算課税」という方法も有ります。これも、どの方法が有利になるかは税理士さん等と相談して下さい。


参考
国税庁[相続時精算課税の選択]


 分筆には有る程度の費用がかかりますが、税金は贈与税だけではなく、不動産取得税や固定資産税などもありますので、分筆の経費をかけても、必要分だけ分筆し5条許可を受けて転用し、残りは農地のままにしておいて、遺言等で相続時に受け取るのが一番いい気がします。

 まだ理屈として考え方を整理しただけなので、実際の手続きはまだこれからです・・・先は長い(-_-;)。
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